欲張りスライムの備忘録

ソフトウェア関連の話題について記載する予定。「明日から本気出す」がモットー。

医療情報技師の勉強について

いやぁ~乱世乱世!未熟な20代ソフトウェアエンジニアの欲張りスライムです。この度2015年の医療情報技師の試験に合格致しました。ささやかながら自分が行ってきた学習方法・内容について簡単にご紹介をさせて頂きます。同じ試験を受検しようと考えている方の何かお役に立てれば幸いです。特別難しい試験というわけでもないですが。

 

医療情報技師の資格について

医療情報技師(Healthcare Information Technologist)とは、日本医療情報学会が資格付与する民間資格です。IPAが携わるようなIT系の国家資格ではありません。試験の申し込みは、申し込み期間中に以下HPから行うことができます。

www.jami.jp

医療情報技師は、医療情報技師育成部会によると、「保健医療福祉専門職の一員として、医療の特質をふまえ、最適な情報処理技術にもとづき、医療情報を安全かつ有効に活用・提供することができる知識・技術および資質を有する者」と定義されています。具体的には、日々の診療業務に関わる保健医療福祉情報システムの企画・開発および運用管理・保守を仕事とし、保健医療福祉の現場を知り,そこで活躍することができる情報処理技術者のことを指すらしいです。ですので、医療情報システムの企画・開発・運用・保守が主な業務となります。日本医療情報学会が厚生労働省に国家資格への実現を働きかけていますが、2015年10月現在、まだ実現には至っていません。ちなみに受検料は15,000円でした。高いよ!安くしろ!

医療情報システムの導入・開発・運用・保守に携わっておられる(将来的に携わりたい)方、または病院の院内SEへの転職を視野に入れておられる方、もう金融系SEはこりごりだという方であれば、視野を広げる意味でも取っておいて損は無い資格だと思います。実際に医療機関で働かれておられる方のお話を聞く限り、逆にこの程度の知識が無ければ、おそらく医療機関や医療情報システムを提供するベンダでシステムの専門家として仕事ができないと思われます。院内SEの場合、求人内容を見る限りピンキリな感じはしますが。。

ちなみに、医療情報技師の上位資格として、上級医療情報技師があるそうです。

試験内容

情報処理技術系と医療情報システム系と医学医療系の3科目から成ります。マークシートで5拓です(正解が1つとは限らない問題も含まれます)。

  • 情報処理:60分
  • 医療情報システム:90分
  • 医学・医療:60分

試験結果

以下の通りでした。医療情報システム系あぶねェー!

  • 情報処理:86/100         (合格:60/100 点以上)
  • 医療情報システム:78/120     (合格:76/120 点以上)
  • 医学・医療:62/100        (合格:48/100 点以上)

資格取得のために要した学習内容と勉強時間

学習に使ったのは、以下の過去問のみです。分からない用語があれば、その都度ググって調べていました。

Amazon CAPTCHA

勉強時間は約1ヶ月、といっても、通勤の電車に乗っている時間や寝る前に過去問を熟読していた程度です。自分より要領が良い方であれば、全科目7割取れれば確実に合格ですので、2,3週間みっちり勉強すれば合格できると思います。といっても、受検料がバカになりませんので、確実に全科目一発で合格するために勉強にできるだけ多くの時間をかけた方が良いでしょう。ただ、少なくとも専門学校や通信講座にお金を出して取得するほどの資格ではないと考えています。数学やプログラムなど頭を使って解くタイプの問題はなく、頭を使わない暗記タイプの問題(しかもマークシート)だけですので、過去問の熟読を反復するだけで十分学習効果があり、対策できます。

  • 情報処理技術系:基本情報の午前程度の問題ですので、ITエンジニアのご経験がある方や情報工学をかじられた方でしたら、無勉で余裕で合格できます。自分も無勉でした。
  • 医療情報システム系:医学医療系とほぼ同様に、ひたすら過去問の問題&正解と解説を暗記。IT企業の勤務経験がある方でしたら、導入・運用系の問題の解答の選択肢に明らかにありえない選択肢が含まれているのが自然と分かりますので、それを除外するようにすれば実質2拓ぐらいになり、解答の精度を高められます。OECDの8原則と電子保存の3原則、医療情報の標準規格、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインの記載内容、各検査システムの特徴位は全部しっかり暗記しておくこと。最近は遠隔診療に関する出題が目立っている気がします。
  • 医学医療系:自分のように医療機関に勤務したことがない方ですと、この辺りは最初過去問を見ても歯が立たないと思います。知らないことは分かるわけがないので、初めの頃は解かずに正解を見て問題の選択肢の正解に○印をつけてしまい、ひたすら暗記し続けました。大体3年分位、問題&正解と解説を暗記すると、出題内容の肝みたいな部分が分かってきますので、後は時間を測って他の年の問題を解いていき合格に必要な最低限の知識を得ていきました。患者基本情報、腫瘍マーカー、炎症マーカー、主な疾患(または臓器)と検査の組み合わせ、DPC制度、日本の医療保険制度、処方せん、各記録の保存期間、医療資格の権限に関する理解は必須。医療法と医師法の規定内容も整理して頭に入れておきましょう。「助産師は女性でなければならない」「助産師は看護師国家試験の合格者でなければならない」というのも常識ですので、「誤っているのはどれか」というイヤラシイ問いで、間違って選ばないようにしましょう(^o^)